1.手術の目的
中絶手術の主な目的は、絨毛(将来胎盤になる組織)を取り出してあげることです。
絨毛が残ってしまうと、hCGというホルモンが出続けることによって中途半端な妊娠が継続し出血や痛みも消失せず、正常な月経も戻ってきません。また、将来存続絨毛症などの絨毛性疾患を引き起こすことにもなりかねません。
2.手術の方法
子宮の形や向き・硬さ、子宮筋腫などの合併症などによっては絨毛を取り除くのが困難な場合があります。
この場合に無理をすると子宮に深い傷が付き、将来不妊や前置胎盤、癒着胎盤の原因にもなりかねませんし、子宮をとらなくてはならなくなることもあります。
子宮の出口に過度の負担をかけることなく拡張する処置を十分な時間をかけて行ったり、掻把法と吸引法を適切に選択したり、経腹超音波で確認しながら手術を進めたりすることなどによって安全に確実に手術を行います。
アクセス
■JR山手線でお越しの場合
大塚駅改札口(一つのみ)を出たら左にお進みいただくと(北口)、みずほ銀行、スターバックスの入っているビルがありその7階になります。改札からビル入口までは徒歩約30秒ほどです。
■都営荒川線でお越しの場合
大塚駅前停留所から徒歩1分です。
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手術の概要(方法)
手術の概要(方法)
3.手術の可否の判断
当クリニックの医師は、母体保護法の指定医であり経験も豊富で緊急時にも適確に対応できますが、これ以上は危険だと判断した場合は中絶手術を中断させていただくことがあります。
時間を置いて再度手術をすることにより危険を回避し、安全に絨毛をとることができるケースがあるためです。
4.他医療機関への紹介
高次医療機関による対応が望ましいと判断された場合は、事前にご説明させて頂き、御理解頂いた上で他の医療機関に紹介、搬送させていただくことがあります。
安全を最優先いたします。
5.そのほか手術に於ける大切なこと
・執刀する医師は常に慣れることなく謙虚に手術に臨まなければならない
どんなに経験があっても、技術に優れていても、事故は起きます。常に細心の注意を払うことを忘れずに、謙虚に手術に望むことが大切です。
・状況の変化に応じた柔軟で適確な対応
2つとして同じ手術はありませんので、状況に応じ適切な対応をすることで患者さんを無事にお帰しし、後遺症の発生を防ぎます。
・手術による感染を防ぐ
充分な手術機械や術野の洗浄をすることで手術による感染症の発生を防ぎ不妊や腹膜炎などの合併症が生じないように務めることも大切です。
・原則24時間の緊急対応
深夜、早朝、休診日でも術前術後に連絡が取れるようにしています。不安なまま、わからないまま手術をうけることはトラブルの原因になります。
術後もおかしいと思った時に時間をおかずに適切な対応を取ることができれば重篤な後遺症の発生を防ぐこともできるようになります。
「あの時相談しておけば」、「もっと早く対応しておけば」を防ぐために、不安や不信に思うことがあった際にはその都度ご相談下さい。
◎中絶手術で医師が「生じさせてはいけないこと」「絶対に行ってはならないこと」
・子宮穿孔(腸管損傷や子宮損傷、腹膜炎によって子宮全摘などの開腹手術に至る可能性がある)
・子宮内膜再生を損なうような過度の施術(不妊の原因となる)
・重篤な感染症(不妊、アッシャーマン症候群)
※アッシャーマン症候群とは
中絶手術、流産手術等による損傷や感染によって術後子宮内腔の癒着が生じ、不妊や過度の月経痛を来すようになってしまった病態
メリット | デメリット | |
---|---|---|
吸引法 |
1.深い傷がつきにくい 2.術者による差が少ない 3.週数が小さい場合は掻把法に比べリスクが少ない |
1.週数が大きい場合、困難な場合がある。 2.帝王切開の既往がある場合、子宮破裂を来すことがある 3.子宮破裂の可能性がある。症例によっては出血が増えたり感染を起こし易くなることがある。 4.空気塞栓という重篤な合併症を生ずることがある。 |
掻把法 |
1.手術の最も大切な目的である胎盤の摘出について、術中にリアルタイムで状況を確認することができる。 2.帝王切開の既往がある場合でも、子宮破裂を防ぐことができる。 3.医療器具の洗浄が容易(感染を防ぐ) |
1.不用意な操作により子宮に傷がつくことがある。 2.子宮口が硬く、術前の拡張が充分にできない場合や筋腫合併症の場合は掻把法が困難となることがある。 |